今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33
手術療法
18.体癌の基本術式
植田 国昭
1
Kuniaki Ueda
1
1東京都立駒込病院産婦人科
pp.304-306
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904911
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子宮体癌の治療法としては従来から手術と放射線が主流をしめてきた。近年はこれに化学療法と黄体ホルモン療法が加えられている。しかし治療成績と治療の難易度を考慮すると,体癌では手術の比重がはるかに大きな重みをもつものと考えられる。その理由は体癌の大部分は腺癌であるために放射線感受性が低い,腔内照射に便利なアプリケーターがない,体部の筋層浸潤が深いと腔内照射による穿孔の危険があることなどが放射線療法に不利な要因となる。一方手術は体癌の多くがⅠ,Ⅱ期であるため頸癌ほど広汎子宮全摘を強行する必要がない。またこうした縮小手術(単純子宮全摘または準広汎全摘)でも良好な治療成績を示していることによる。このため現在は体癌の治療は手術が第一選択となっている。
術式としては進行期や組織分化度によって必要な切除範囲を考慮せねばならない。
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