今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33
術前・術中診断,癌の広がりの診断
17.リンパ節生検
塚本 直樹
1
Naoki Tsukamoto
1
1九州大学医学部婦人科産科学教室
pp.302-303
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904910
- 有料閲覧
- 文献概要
従来,体癌の進行期の決定は治療前に臨床的に行われてきた。しかし,FIGOは1988年のリオにおける総会で臨床進行期の改正を行い,体癌にはsurgical stagingが適用されることになった(表1)1)。
体癌の70〜80%をしめる,体部に限局していると考えられるⅠ期体癌(旧FIGO,現日産婦分類)でも,開腹して精査すると約20%がすでに子宮外へ進展していることが判明してきた。進展部位としては骨盤リンパ節,傍大動脈リンパ節,付属器,腹腔内(洗浄細胞診陽性)などがあげられる。従って,体癌の広がりを診断するためにも,また進行期を決定するためにも,リンパ節生検は重要な手術操作である。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.