臨床経験
癌性腹膜炎に対するIL−2,OK 432,CPMおよびPSK併用免疫化学療法の臨床的検討
寺内 文敏
1
,
植野 りえ
1
,
小倉 久男
1
1東邦大学医学部第2産婦人科学教室
pp.840-844
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904389
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他臓器原発転移性卵巣癌・癌性腹膜炎例に対しinterleukin−2(lL−2)製剤を中心とした免疫化学療法を行い,その臨床効果を検討した.対象は,転移性卵巣癌および癌性腹膜炎3例である.方法は,lL−2をkeydrugとし,OK 432,CPM,PSKの4剤併用免疫化学療法を計3コース行った,直接効果においてはNCであった.腸閉塞症状,胸腹水貯留は改善し,全例にPSの改善を認めた.延命効果も一定以上の改善を認めた.免疫パラメーターの変動に関しては,有意に特徴的な傾向は認めなかったが,CD16およびCD56に増加傾向を認めた.本治療法は,副作用も軽度の発熱のみで全身状態不良例においても安全に行うことができ,特にPS,さらにはQOLの改善が期待でき,手術療法,放射線療法,抗癌剤化学療法につぐ第4の治療法として検討する価値があると思われる.
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