今月の臨床 排卵誘発の問題点—新しい工夫と対策
排卵誘発
C.hMG-hCG
1.OHSSの予防 2)hCGキャンセルの基準
田原 隆三
1
,
藤間 芳郎
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.786-790
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904375
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はじめに
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症はほとんどの場合,排卵誘発時のhCG投与後に惹起されるため,このhCGの投与を慎重に行うことがOHSS発症予防につながる.しかしながら未だにhCGの投与の時期や量,さらにOHSS発症予防のためにhCG投与をキャンセルする明らかな基準はない.一方でhCG投与をキャンセルすることは,その周期の排卵誘発を断念することにもつながり,患者の精神的,経済的な面が問題となる.そこで本稿では①OHSS発症の危険因子,②OHSS発症予防を目的とした排卵誘発時の工夫,さらに③hCGキャンセルの基準に加え,④多因子によるOHSS発症予測の試みについて概説する.
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