今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
排卵誘発
12.黄体機能不全の治療はプロゲストーゲンか,hCGか,診断と治療法は?
藤間 芳郎
1
,
田原 隆三
1
,
斎藤 裕
1
1昭和大学医学部産婦人科
pp.1394-1396
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
黄体機能不全(luteal insufficiency)は,日本産科婦人科学会の用語集では,「黄体からのエストロゲンとプロゲステロン(P)との分泌不全により,子宮内膜の分泌性変化が完全に起こらないものをいう.妊卵の着床障害による不妊の原因として重要である」と規定されているが,はっきりとした定義はなく各施設によって異なっている.病因として排卵性月経周期において原始卵胞より発育卵胞,成熟卵胞を経て黄体形成に至る過程の異常と,その黄体機能の維持機構の異常に分類されて考えられていることが多い.本稿では,黄体機能不全の診断と治療について概説し,さらにluteal supportとしてプロゲストーゲンとhCGのどちらが有効かを検討する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.