今月の臨床 腹腔鏡下手術—知っておくべき最新情報
疾患別の手技・適応と限界
5.ロキタンスキー症候群
堤 治
1
1東京大学医学部附属病院分院産科婦人科学教室
pp.251-253
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904274
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はじめに
腹腔鏡下手術は患者に対する肉体的負担の少ない低侵襲手術として婦人科領域の応用範囲も拡がりつつありる.腟欠損症に対する造腟術も例外ではなく,腹腔鏡は診断のみでなく治療すなわち造腟術にも応用され始めている.先天性腟欠損症は,大別すると子宮も欠損するタイプと機能的子宮を有するものに分類される.頻度的には前者が多く,その殆どは卵巣と痕跡子宮をもつRokitan—sky-Kuster-Hauser症候群(以下,ロキタンスキー症候群)である.後者はさまざまな性器奇形の合併を持つことが多く,潜伏月経による周期的下腹痛が問題になる.ここではロキタンスキー症候群に対して行われる腹腔鏡下骨盤腹膜利用造腟術の実際1)を具体的に紹介する.
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