今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHアゴニストによる治療—適応基準と問題点
4.卵巣過排卵刺激法(COH)
菅沼 信彦
1
,
近藤 育代
2
,
安藤 智子
3
1名古屋大学医学部附属病院周産母子センター
2名古屋大学医学部産婦人科
3総合上飯田第一病院不妊センター
pp.180-182
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903537
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GnRHアゴニスト(GnRHa)は,アンタゴニストと異なり,下垂体に対して二つの作用を持つ.すなわち,投与初期に下垂体を刺激しゴナドトロピンを放出させる作用であるflare-up(up-regu—lation)と,その後に現れる下垂体を抑制しゴナドトロピンの放出を妨げる作用であるdesensitiza—tion(down-regulation)である.子宮内膜症や子宮筋腫に対する薬効としては,このdesensitiza—tionによる内因性ゴナドトロピン抑制作用を利用している.
現在,体外受精—胚移植(IVF-ET)における卵巣過排卵刺激(COH)時のhMG/FSH投与とともに,GnRHaを併用する方法は常識となっているが,通常のCOHの際には第一選択ではない.どのような場合にGnRHaを併用するのが好ましいのか,GnRHaの持つ特性からその適応と問題点を概説する.
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