今月の臨床 不妊治療の進歩
体外受精と関連手技
18.過排卵刺激におけるGnRHa併用の効果
関 守利
1
,
伊吹 令人
1
Moritoshi Seki
1
1群馬大学医学部産婦人科
pp.444-446
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900815
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体外受精胚移植における卵胞刺激の目的は採卵時に利用できる成熟卵の数を増加させることである。そのため,卵胞のcohortの発育の理想的な同期化を可能にする刺激方法を開発することは体外受精胚移植の重要な課題の1つである。
GnRHアナログにはGnRHアゴニスト:作動薬(以下GnRHa)とGnRHアンタゴニスト:拮抗薬がある。GnRHアナログの開発とゴナドトロピンとの併用経験は基礎となる生理学の理解と臨床結果の改善に役だってきた。現在,体外受精胚移植の臨床応用にはGnRHaが応用されている。GnRHアンタゴニストは今までヒスタミン遊離作用が強い点で臨床応用上大きな問題点となっていたが,この問題点を克服したアンタゴニストも開発され近い将来の臨床応用が期待されている。日本で体外受精胚移植のプロトコールに使用されているGnRHa(Buserelin nasal sprayヘキストジャパン)とhMG, pFSHの併用法につき述べる。
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