今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHアゴニストによる治療—適応基準と問題点
5.子宮筋腫
福野 直孝
1
,
小辻 文和
2
1市立舞鶴市民病院産婦人科
2福井医科大学産科婦人科
pp.184-187
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903538
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子宮筋腫は最も頻度の高い良性の婦人科腫瘍であり,過多月経,月経困難症,不妊などの原因となる.Filicoriらにより,子宮筋腫に対してGnRHアゴニスト(GnRHa)がはじめて用いられたのは1983年である.子宮筋腫はエストロゲン依存性の腫瘍であり,GnRHaにより下垂体のGnRH受容体がdown regulationを受け卵巣機能が抑制され治療効果が得られる.GnRHa療法は,筋腫の縮小,貧血,月経困難症の軽減などへの有用性は高いが,効果が一時的である,あるいは効果を認めない症例も存在する.したがって,子宮筋腫の治療法にGnRHa療法を選択する場合には,その特性を十分に理解し,目的を明確にして行うことが肝要である.以下,GnRHa療法の適応と問題点を概説する.
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