今月の臨床 腫瘍マーカーは何を語るか
治療戦略への応用
4.子宮頸癌の治療計画と術後管理
鈴木 良知
1
,
高山 雅臣
1
1東京医科大学産科婦人科
pp.186-191
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903176
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子宮頸癌は病変部位より直接組織診や細胞診を施行することが可能であり,そのため集団検診の普及が進み,早期診断が可能となった.一方,進行癌においてはCT,MRI,超音波断層法など近年の画像診断の進歩により術前病巣の広がり,リンパ節転移の有無など,かなり詳細に観察できるようになった.したがって子宮頸癌における腫瘍マーカー診断は,早期診断のためではなく,画像診断とともに病巣の広がり程度の術前診断や治療後の再発のチェックおよび治療のモニタリングに臨床応用されており,子宮頸癌の治療計画と術後管理に重要な情報を提供することになる.今回,筆者らは子宮頸癌の治療前後における腫瘍マーカーの変動を自験例および諸家らの報告より検索し,腫瘍マーカーの臨床的有用性について検討した.なお子宮頸癌は発生部位および組織型によって扁平上皮癌と腺癌とに区別されるため,この二つを分けて概説するとともに,新しい子宮頸癌の補助化学療法であるneoadjuvant動注化学療法について報告する.
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