特集 手術療法の進歩
子宮頸癌
園田 隆彦
1
Takahiko Sonoda
1
1国立がんセンター病院
pp.807-809
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207854
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Ⅰ.根治性向上目的の手術の進歩
1.進行癌における手技的根治性の向上
癌手術の根治性は,癌巣を遺残させないため,切除の境界が正常組織で囲まれていることである。したがって,癌占居部位の正確な診断,換言すれば,進行期〜TNM分類の正診が可能であることを前提とする。CT—scan〜超音波断層法,すなわち画像診断が近年加わったことは,この意味からすれば,大きな進歩である。進行癌がまだ充分に切除可能な正常組織で囲まれていれば,当然そこへの到達法と切除後の欠損修復法が工夫される。
骨盤除臓術では子宮頸部が膀胱に近接しているため前方除臓術が多いが,膀胱合併切除は比較的容易な手技であり,むしろ,併施する尿路変向法が従来問題であった。one stomaですむ回腸導管造設が各施設でかなり安全に成功していることは進歩であると考えられる。
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