特集 悪性腫瘍の診断
子宮頸癌
橋本 清
1
,
平林 光司
1
Kiyoshi Hashimoto
1
1岡山大学医学部産婦人科学教室
pp.885-891
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204288
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緒言
子宮頸癌の場合,他の深在臓器癌と異なり病巣をほとんどの場合直視下に検索できるわけであり,それだけに他の深在臓器癌においては精密検査とみなされるものが既にかなり以前から日常の診断法として用いられてきた。したがって胃癌や肺癌などにおいてはこれらの器具方法などにおいて最近多くの改良が行なわれているが,その意味での進歩は子宮頸癌の場合,余り見られていない現状である。そこで必然的にいかに多くの早期癌を発見するかという反社会的問題,得られた細胞,組織についての判定基準,またその取扱いなどがその診断上の焦点となつている。そこで現在までに発表されたいろいろな診断法のうち特に不可欠の方法となっているものを,我々の成績から評価し,さらに現在の子宮頸癌診断上の問題点を述べることとする。
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