今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
産婦人科
子宮頸癌
安田 允
1
,
青木 雅弘
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院・産婦人科
pp.832-834
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222465
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●概説
子宮頸癌はわが国における女性性器癌のうちで最も罹患率が高く,次いで卵巣癌,子宮体癌の順である.頸癌の死亡率は1950年に18.5(人口10万対)であったものが,昭和40年代に集団検診が行われ,O期やI期の早期癌が多数発見された結果,治癒率は向上し,最近の死亡率は半減している.この傾向は55歳以下で著明で,高齢者では明らかではないが,このことは早期診断技術の向上と子宮癌検診の普及による(表1).
子宮癌の発生は扁平上皮化生に何らかの異常が生じ,異形成,上皮内癌,浸潤癌の過程が認められている.また最近ではヒトパピローマウイルス(HPV)の16型,18型および31型,34型の感染が引き金となって発生するとの説が強まっている.内科疾患との関連性は特にない.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.