今月の臨床 婦人科における検査法—有用性と再評価
不妊
6.不妊患者の腹腔鏡で何がわかるか
三橋 洋治
1
,
星合 昊
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.925-928
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903022
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腹腔鏡は従来,内科系の診断技術として臨床に導入された.婦人科領域には1937年,Hopeら1)により最初に臨床応用がなされたと言われている.それ以降1967年のSteptoe,1968年のCohenらの報告からとくに盛んに用いられるようになった.また,本邦では1968年に西村らにより骨盤子宮内膜症の診断に腹腔鏡の有用性が報告されたころから普及しはじめたと思われる.今や腹腔鏡は光学機器の進歩発展と周辺装置の充実,および開腹術に比べて低侵襲性であることが評価され,診断や治療において欠くことのできないものとなってきている.とくに不妊症においては,内診や子宮卵管造影などで診断し得ない腹腔内の微細病変に対する直視下観察が可能であり,また得られる情報量も多く,加えて開腹術に比べて術後癒着の問題が少なく,診断から腹腔鏡下治療に直ちに移行できる利点があるため,今後さらに広く用いられると思われる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.