今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
卵管,子宮
1.不妊症例における腹腔鏡の適応は?
関 賢一
1
,
岩田 壮吉
1
,
小澤 伸晃
1
,
岩田 嘉行
1
1川崎市立川崎病院産婦人科
pp.1420-1421
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902733
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技術的進歩と相まって周辺機器の充実により最近の腹腔鏡下手術の普及は目覚ましいものが見られる.一方,歴史的に見ると,腹腔鏡は,避妊手術を除けばその多くは不妊症に対する検査と簡単な治療がその目的であったといえる.これまで不妊症に対する適応のほとんどは子宮卵管造影法(HSG)で異常の見られるものであったが,卵管通過性,骨盤内癒着,卵管周囲癒着などの診断におけるHSGと腹腔鏡の不一致率は高く,腹腔鏡がこれだけ普及した今日,原因不明の機能性不妊や長期不妊も含め,可能であればすべての不妊症患者に対して,ルーチン検査の1つとして施行したいものである.本稿では現在一般的に行われている不妊患者に対する腹腔鏡の利用状況について述べる.
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