今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
診断のNew aspect
12.腹腔鏡
星合 昊
1
Hiroshi Hoshiai
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.378-380
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901236
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典型的な子宮外妊娠の症状は,①無月経(妊娠),②性器出血,③下腹痛,および急性出血に伴うショックとされているが,最近では高感度妊娠反応1,2),超音波断層検査法の進歩と普及にともない,いわゆる卵管妊娠破裂・流産以前に診断が可能になってきた。
その意味では子宮外妊娠の診断法としてのみの腹腔鏡の価値は相対的に低くなっている。子宮外妊娠の診断における腹腔鏡の役割は,定型的な所見が得られず確診の得られないときに1cm以下の腹壁創により直視的に診断できることにある。すなわち,非定型的な症状・所見の例や妊娠4〜6週と早期の場合のように確定診断が困難な場合,超音波断層検査でも確定診断の得られない場合に,腹腔鏡により早期診断が可能となる。また子宮外妊娠の強い疑診が得られ,腹腔鏡で確定診断が得られた後に腹腔鏡下に治療しようと考えている場合には比較的容易に腹腔鏡の適応3)になる。
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