症例
未分化癌成分が主体を占めた子宮体部癌の1例
名方 保夫
1
,
辻村 亨
1
,
窪田 彬
1
,
杉原 綾子
1
,
寺田 信行
1
1兵庫医科大学病理学第一講座
pp.769-773
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902987
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未分化癌成分が主体を占めた子宮体部癌の1例を経験したので報告する.症例は60歳女性.主訴は,不正性器出血の持続であった.子宮内膜生検で腺癌と組織診断されたため,広汎子宮全摘出術が施行された.摘出子宮標本の病理組織像では,表層部分に分化型類内膜腺癌像が認められたが,大部分は未分化癌像であった.そこで肉腫(とくに高悪性度子宮内膜間質肉腫)および同所性癌肉腫との鑑別が問題となったが,鍍銀染色は上皮性パターンを示し,免疫組織化学的にサイトケラチンおよびビメンチンが陽性であった.上記の染色は,肉腫との鑑別に有用であった.
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