CURRENT CLINIC
HELLP症候群の病態よりみた診断と予後判定
日高 敦夫
1
,
中本 収
1
,
周藤 雄二
1
,
三橋 玉枝
1
,
康 文豪
1
,
川端 政実
1
,
松尾 重樹
1
,
松本 雅彦
1
1大阪市立総合医療センター産科婦人科
pp.763-768
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902986
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重症妊娠中毒症に併発してみられるHELLP症候群は,母児予後にとって重篤な障害を招きやすいことが知られている.したがって,その発症の予測と診断,並びに病態推移の適切な把握は臨床上きわめて重要な課題である.HELLP症候群発症の病態は少なくとも妊娠高血圧症とは同一スペクトラム上の病態とみなすことが可能であるが,妊娠中毒症発症以前からの本症候群の発症予測は困難である.しかし妊娠中毒症発症時からの,右上腹部痛などの自覚症状をも含め,血小板数,肝機能,LDHなどの測定は本症スクリーニングとして意義があり,とりわけ急激に変動する重篤な病態推移の把握には,血小板数が最も予後と関連する重要なパラメータであり,ついでGOT, LDHの経時的測定が臨床上有用である.
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