実地臨床手技のエッセンス 内視鏡の進歩
腹腔鏡
岩田 嘉行
1
,
曽山 嘉夫
1
,
中村 英世
1
,
坂倉 啓一
1
Yoshiyuki Iwata
1
1川崎市立川崎病院産婦人科
pp.265-269
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206024
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腹腔鏡は,腹壁からの到達によって腹腔内の情報をもたらす手段として開発され,最初の臨床応用はすでに70年以上もの昔になる1)。その後の進歩により,単なる診断的な利用に止まらず,手術的な操作が可能となるにつれ,最近の10年ほどの間に産婦人科領域においてとくにその有用性が再認識され,活用度も飛躍的に高まってきたのは衆知のごとくである。
しかし,一般的にいって,日本においては腹腔鏡の日常使用にはまだ種々の抵抗因子の存在が否定され得ないのが実情といえ,その分析は他にゆずるとして,手技に対する不安感はそのうちのかなりの部分を占めるように思われる。従って,実地手技のエッセンスを求める当企画は,まさに時宜を得たものであるが,浅学弱輩である著者にとっては過ぎたる重責といわねばならない。不安感の根源である腹腔鏡の合併症の防止を考慮した手技につき,ささやかな経験を披露することで,その任務を果たすこととする。
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