原著
分娩,産褥時期に母体救命のため子宮摘出を行った症例の検討
須野 敏章
1,2
,
竹田 省
1
,
斉藤 正博
1
,
高木 章美
1
,
黒牧 謙一
1
,
石原 理
1
,
木下 勝之
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
2藤間病院産婦人科
pp.843-848
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902580
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出血が母体死亡の主たる原因である現在,その予防,管理は重要である.このため1985年から10年間に当科で子宮摘出術を行った10症例の病因,背景,適応,臨床経過などをレトロスペクティブに検討した.
成績 手術適応は癒着胎盤および前置胎盤6例,子宮破裂3例,子宮内感染1例であった.10例中5例は止血不能による母体搬送であった.出血量は6例が4,000ml以上あり,全例に輸血が必要であった.癒着胎盤の4例は帝王切開既往症例で,今回前置胎盤の症例が4例であった.子宮破裂は全例経産婦であり,陣痛誘発または促進を行った症例であった.感染は巨大筋腫合併例で,子宮内感染,腎孟炎よりDICとなり,子宮摘出を行った.
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