連載 OBSTETRIC NEWS
妊婦への硫酸マグネシウム投与で早期産児の脳性麻痺発生率を減少させられるか?〜米国NICHD MFMU Networkの研究
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.840-841
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902579
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米国では,18歳以下の児の10万人以上が脳性麻痺(CP)と推測され,その1/4は歩行できず,30%は知能発育遅延(MR)で,毎年CP児にかかる費用は5,000億円である(NEJM 330:188,1994).CPの発生を予知できる臨床的に有用な危険因子が長年検索されてきた.
KubanらはCP発生の疫学的研究を行って危険因子をいくつかに分類した.その分類は,妊娠前(流早産歴,過長月経周期),妊娠中(社会的低階級層,先天奇形,胎児発育遅延,双胎,胎位異常),分娩前後(胎盤早期剥離,新生児脳症)などの危険因子であるが,これらがわかっていても,臨床的にはCPを予防するという面では有用とは言えない.
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