症例
進行性筋ジストロフィー症(FSH型)合併妊娠の1例
斉藤 正博
1
,
関 博之
1
,
高田 眞一
1
,
石原 理
1
,
竹田 省
1
,
木下 勝之
1
,
江口 秀史
2
,
小川 雄之亮
2
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
2埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.221-224
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901628
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進行性筋ジストロフィー症progressive muscu—lar dystropy(PMD)は,進行性に骨格筋の筋原性萎縮をきたすまれな疾患で,現在でも根治的治療法は解明されていない難病の一つである.その中でも,FSH型は比較的進行が緩徐で,予後のよい,常染色体優性遺伝を示す疾患である.今回,われわれは,FSH型のPMD合併妊娠を経験したので報告する.症例は,33歳,12歳時にPMDのFSH型と診断された.妊娠中PMDの症状も安定しており,妊娠中の母体の筋力低下も認めず,児発育も順調であった.
妊娠39週6日に自然陣発,しかし,微弱陣痛,分娩遷延,母体疲労のため鉗子遂娩術を施行した.児は,3,144gの男児,Apgar score 8点であった.産褥糊は母児ともに順調に経過した.
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