症例
子宮を温存し得た頸管妊娠の3例
斉藤 正博
1
,
石原 理
1
,
関 博之
1
,
竹田 省
1
,
飯野 明
1
,
木下 勝之
1
,
高田 真一
1
Masahiro Saitoh
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.787-791
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901353
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子宮を温存し得た3例の頸管妊娠を経験したので報告し,その方法につき叙述した。
1例目はMTX (methotrexate)20 mg/日を5日間投与した後に,子宮内容除去を試みたが,止血不能のため開腹した。子宮頸部を縦切開し着床部を縫合止血し子宮を温存し得た。2例目はetoposide 50 mg/日を5日間投与後,開腹した。子宮動脈血流を一時的に遮断し,子宮頸部を縦切開し掻爬後,縫合止血した。3例目はetoposide 150 mg/日を5日間投与後掻爬を行った.出血は少量であった。
このように,頸管妊娠の診断がつき,子宮温存の必要があれば,化学療法を行った後に掻爬術を行うか,止血困難な場合は,開腹して頸管縦切開を加え,着床部を掻爬後,縫合することにより止血可能である。
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