原著
慢性腎不全症例に認められた婦人科悪性腫瘍の検討
横須賀 薫
1
,
滝沢 憲
2
,
井口 登美子
2
,
武田 佳彦
2
,
尊田 和徳
3
,
高橋 公太
3
,
東間 紘
3
1至誠会第二病院産婦人科
2東京女子医科大学産婦人科
3東京女子医科大学泌尿器科
pp.201-203
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902428
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慢性腎不全例に対する腎移植は,感染などの合併症による死亡が減少している現在,長期生着例における合併症として悪性腫瘍の発生が重大な問題となってきている,そこで今回われわれは,東京女子医科大学泌尿器科でフォローアップされ,同産婦人科において診断された悪性腫瘍例について,retrospectiveに検討したので報告する.
腎移植例はむろんのこと,透析例においても,悪性腫瘍発症の割合は高く,これらの多くは早期癌・高分化癌であった.また,婦人科領域における近年の子宮体癌増加傾向と同じく子宮体癌が多く認められた.腎不全例にみられる不正性器出血に対し,安易に抗凝固剤使用のためと考えず,つねに悪性腫瘍の存在を意識した検査,フォローアップが必要と考えられた.
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