原著
産婦人科領域における炭酸ガスレーザー治療とその適応
滝沢 憲
1
,
横尾 郁子
1
,
磯野 聡子
1
,
稲生 由紀子
1
,
井口 登美子
1
,
武田 佳彦
1
,
坂元 正一
2
Ken Takizawa
1
,
Shoichi Sakamoto
2
1東京女子医科大学産婦人科教室
2東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.49-53
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207527
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最高出力30ワット(W)の炭酸ガスレーザー装置を用いて,外陰・腟・子宮頸部condyloma, Papilloma 8例,外子宮口に限局した子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1例及び子宮腟部びらん18例を外来管理下で治療した。Condylomaなどは,局所麻酔下で短時間に容易に蒸散でき,照射後出血も少なく傷の治癒もスムーズであった。外子宮口に限局したCIN病変も同様であった。広い面を充分な深さまで照射する必要がある子宮腟部びらんの炭酸ガスレーザー治療は必ずしも容易でないが,出力30W, Continuous beamで,5cmのdefocused beamを用いた方法が,それ以外のfocused beamに比較して最良の治療成績であった。子宮腟部後唇より始めて,ハンドピースを動かしながら治療すると,無麻酔でも熱がらず,治癒機転も円滑で,合併症は18例中1例に後出血を認めたのみであった。ただし,辺縁4mm,中心部5mmを蒸散するのに約20分を要し,また蒸散深度を目測するのはやや困難であった。
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