原著
産婦人科反復骨盤内手術の頻度とその問題点の臨床的検討
中山 佳代子
1
,
滝沢 憲
1
,
安達 知子
1
,
井口 登美子
1
,
武田 佳彦
1
Kayoko Nakayama
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.1109-1112
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900565
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最近5年間の手術症例2,290例中,産婦人科手術既往歴を有する182例8.0%について臨床的に検討した。
先行手術術式は,腹式帝王切開術(C/S),子宮外妊娠など妊娠関連が40%,付属器腫瘍手術30%,筋腫核出術16.4%,子宮摘出術13.7%であった。C/S 2回,筋腫核出術,付属器切除術などの先行手術は,今回腹式単純子宮全摘術(ATH)の出血量と手術時間を有意に増加させた。
私達の検討によれば,子宮筋腫の再発は21%と推定され,子宮保存手術の適応は慎重に考慮すべきと思われた。付属器腫瘍手術後および子宮摘出術後の卵巣腫瘍の発生率は,1年間あたり0.23%と推定されたので,閉経前の機能している卵巣を予防的に摘出する必要はないと思われた。
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