今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の基本操作
1.卵巣刺激法
2)hMG/FSH-hCG
安部 裕司
1
,
久保 春海
1
1東邦大学医学部第1産婦人科
pp.1037-1040
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902219
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●はじめに
1978年世界初の体外受精児が自然周期にて誕生し,その後しばらくは自然周期によるIVF-ETが推奨されていた.1980年代に入り採卵数を増やす目的にて各種排卵誘発法が利用されるようになり,clomiphene citrateおよびhumanmenopausal gonadotropin(hMG)/FSH単独または併用療法が行われてきた.しかしこの方法ではpremature LH surgeや採卵前の排卵を回避できずに15〜30%のキャンセルを余儀なくされていた.近年gonadotropin-releasing hormoneanalogue(GnRHa)が併用されるようになり,これらの問題点を回避できるためIVF-ET/GIFTをはじめとするassisted reproductive technol—ogy(ART)の排卵誘発法として一般的となってきた(表1)1).しかし,患者によっては,この方法によってlow responseに陥る症例にしばしば遭遇する.われわれの施設においてもGnRHa—hMG-hCG cycleにおいてlow responseとなりキャンセルとなった症例でhMG/FSH単独にてgood responseとなり妊娠した症例を経験している.したがって,hMG/FSH単独刺激法もこのような症例に対して今だ試行される方法であろう.
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