今月の臨床 症例から学ぶ多嚢胞卵巣
多嚢胞卵巣と卵巣過剰刺激症候群
1. クロミフェン─hMG─hCG療法で重症のOHSSに至った1症例
伊藤 恭子
1
,
福田 淳
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部生殖発達医学講座産婦人科学分野
pp.45-49
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100150
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はじめに
近年の生殖補助技術(assisted reproductive technology : ART)をはじめとする生殖医療の技術進歩はめざましく,不妊で悩む多くの夫婦に福音を与えている.一方,それらの治療に使用される排卵誘発薬の使用頻度も増加している.その際,多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)の患者では過剰な卵胞成熟が起きやすく,多胎や卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome : OHSS)などの副作用の増加が問題となっている.また,本症例のように,単一卵胞でのOHSSの発生や,自然排卵でのOHSSの報告もあり,予防法や治療法を確立することが喫緊の課題となっている.
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