今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック
産科
12.妊娠中毒症の発症病態
松本 隆史
1
1国立津病院産婦人科
pp.461-466
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902094
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●はじめに
妊娠中毒症は,浮腫,蛋白尿,高血圧をTriasとする症候群で,妊娠偶発合併症の最も重要な疾患である.本症の基本的病態は,血管攣縮(spasm)と血液濃縮(hemococentration)による局所の循環不全であると考えられている.一方,成因に関しては,自己免疫異常説,遺伝子異常説など諸説があるものの依然として不明である.しかし,最近では,血管内皮損傷をめぐる問題が本症の成因解明のアプローチのひとつになるものとして注目されている.
本稿では,血管内皮細胞傷害と妊娠中毒症の成因について最近の動向を概説し,あわせて,その病態生理についても言及した.
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