今月の臨床 難治性合併症を診る—産科
産婦人科合併症
1.早期発症型妊娠中毒症
古橋 信晃
1
1JR仙台病院産婦人科
pp.1312-1313
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901937
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用語・定義
「早期発症型妊娠中毒症」という用語は日産婦学会で決定された妊娠中毒症の定義・分類などには含まれていない.最近の本邦での報告をみると,概念的には妊娠28週以前に発症の妊娠中毒症を指しているものと思われる.欧米ではearly-on—set preeclampsiaという概念は,はっきりせず,文献的にearly-onset preeclampsiaは34週以前の発症と定義している報告もあるが,ISSHP,ICD,米国分類などいわゆる国際的な妊娠中毒症の分類にはまったく用語そのものが認められない1).本邦では「早期」という用語の代わりに妊娠28週以前の妊娠中期発症ということで「中期発症型妊娠中毒症」という用語を使用するものもいる2).さらに1992年の日産婦会決定事項である妊娠中毒症の改訂病型分類の定義に沿って考えると,「早期発症型妊娠中毒症」という概念は純粋型,混合型とはまったく関係なく,発症時期のみだけで捉えられ,その中には純粋型も混合型も含まれることになる.
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