私の工夫
腹腔鏡下手術におけるHARMONIC SCALPEL(超音波切開凝固システム)の有用性
今野 良
1,2
,
永瀬 智
1
1岩手県立磐井病院産婦人科
2済生会岩泉病院
pp.809-812
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901792
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産婦人科における腹腔鏡下手術は,卵巣嚢腫,子宮筋腫,子宮外妊娠,不妊症などを対象に次第に広がりつつある.腹腔鏡下手術では出血の防止と確実な止血が開腹手術以上に必要とされる.最近,腹腔鏡下手術用に開発された超音波切開・凝固装置HARMONIC SCALPELを用いて,卵巣嚢腫,卵管・卵巣・腸管癒着症,子宮筋腫などを対象に腹腔鏡下手術を行い,これまで使用してきた鋏,電気メス,レーザーと比較してその有用性を検討した.HARMONIC SCALPELは,切開能力に勝れ,熱や電流による副損傷がなく,発煙が少なく視野が確保できるなどの特徴をもっていた.HAR—MONIC SCALPELは卵巣チョコレート嚢胞核出術,子宮内膜症や術後の癒着剥離術,子宮筋腫核出術など比較的難度の高い手術においても,その有用性が認められた.
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