原著
細菌性腟症の臨床
島野 敏司
1
,
福中 規功
2
,
西川 鑑
2
,
森 泰宏
2
,
森 悟子
2
,
宿田 孝弘
2
,
工藤 隆一
2
1小樽協会病院産婦人科
2札幌医科大学産婦人科
pp.803-806
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901791
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細菌性腟症患者(176名)の臨床症状について調査した.対象は妊婦,IUD挿入者を除外した症例で,10歳代後半から60歳代までほぼ均等に発症していた.細菌性腟症(Bacterial vaginosis,以下BVと略)の3大症状は,帯下の増加44.3%(78/176),下腹痛34.1%(60/176),不正腟出血21.6%(38/176)であり,以下帯下の悪臭10.8%(19/176),外陰異常感8.0%(14/176)であった.また,まったく臨床症状を示さないBV患者も18.2%(32/176)存在した.BV患者にみられる合併感染症としてモビルンカス感染が19.6%(33/168),クラミジア感染が13.8%(21/152),トリコモナス感染が10.2%(18/176)にみられた.BVの治療に関して,フラジール500mg/日,7日間投与を1クールとすると,1クールで69.4%(68/98),2クールまでには80.6%(79/98)が治癒した.また,IUD挿入者における細菌性腟症罹患率は40.6%(13/32)であった.
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