今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル
E.腫瘍外来—診断と治療方針
26.子宮頸癌の診断と治療方針
竹村 正
1
1兵庫医科大学産科婦人科
pp.457-459
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901688
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
図1は1961年から5年間の子宮癌登録委員会報告での子宮頸癌例数の期別百分率と,それから15年後の1976年から5年間の子宮癌登録委員会報告での子宮頸癌例数の期別百分率を対比したものである.これからでも明らかなように,相対的にⅠ期例数が増加し,これに反してII期以上の例数が減少している.このことは子宮頸癌による死亡数が減少していることにも関連していると思われる.近年子宮体癌の増加が注目されているものの,発生頻度における子宮頸癌との比は子宮体癌の多い地域でも3:7程度であって,日常診療においてはやはり子宮頸癌症例に遭遇する方が多い.一方,0期子宮頸癌並びに異形成症例の増加も最近報告されており,これらも含めると子宮頸癌とその関連病変は現在の婦人科外来検診において依然重要な地位を占めている.子宮頸癌検診についてはすでに細胞診,コルポ診—狙い生検のroutine workが確立していて本書でも別項で詳述されているので本項ではむしろ実地に即した点を中心として述べる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.