今月の臨床 婦人科外来検診マニュアル
E.腫瘍外来—診断と治療方針
27.子宮体癌
加来 恒壽
1
,
嘉村 敏治
1
1九州大学医学部婦人科学産科学
pp.460-462
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901689
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子宮体癌の診断
子宮体癌に関する検査は,不正性器出血が自覚症状である患者が対象となる.とくに50歳以上,閉経後,未産婦,月経不規則の者に対しては内膜細胞診のみではなく積極的に組織診を行う.内膜細胞診については,当科ではエンドサイトを用いて内膜細胞を採取している.
内膜組織診は内膜組織片の採取を子宮内膜の試験掻爬によって行う.使用するキューレットは,頸管を通過しうる最も大きなものを用いるのがよい1).当科では外来にて4方向(0時,3時,6時,および9時の方向)の掻爬を行っている.内膜組織診で癌と診断されたときには,頸部への病変の広がりを知るために頸管内膜の掻爬による組織診を行う.この際,同一切片中に癌と正常頸管腺とが共存していれば頸部への浸潤ありと診断する.一方,正常頸管腺が認められなければ,癌の浸潤なしとする1).
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.