年間テーマ--診断から治療へ 腫瘍の転移
子宮頸癌における転移の診断から治療へ
平林 光司
1
Koji Hirabayashi
1
1岡山大学医学部産婦人科学教室
pp.667-670
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205225
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転移の診断から治療へというテーマはまさに癌治療医が現在直面している大きな壁といえよう。転移が存在するということは,たとえそれが所属リンパ節への転移であつても,既に非限局性の癌であることを物語るものであつて局所的治療法である手術療法や放射線療法の制御を本質的には超えた問題だからである。そして主な治療法としては現状ではこの両者に依存せざるを得ない。したがつて現在の問題点としては,いかにして初期の癌転移を発見するかということ,この両治療法をどのように駆使して治療するかということになる。
今回は現在行なわれている癌転移診断法の有用性と限界を述べ,つづいて両治療法を用いての癌転移の治療法について私見を述べることとする。
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