今月の臨床 早期子宮頸癌--今日の焦点
子宮頸癌診断の手順
天神 美夫
1
Yoshio Tenjin
1
1癌研究会附属病院婦人科
pp.79-83
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203831
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はじめに
子宮頸癌診断方法として現在種々な方法が行なわれているが,臨床診断法として日常用いられているもののうちその主力をなす方法はやはり細胞診,コルポスコピー,組織診の三者となるであろう。この診断法でもそれぞれ長所と短所をそなえていることももちろんであり,その一つ一つを異なる時期,異なる場所で行なうよりは一定の手順に従って順序よく施行していくと各診断法の欠点をカバーし合うことにもなり,肉眼的には見逃しやすいいわゆる臨床前癌もうまくひろいあげることがでぎることとなる。また一定の順序で検査をすすめていくことはうつかり検査しそこなつたり,適切な材料も採取しそこなつたりすることをふせげることになる。
ここでいう診断にはもちろん,肉眼診ではうつかり見逃してしまうような早期癌および視触診ではいかんともし難い臨床前癌であり,また子宮頸管内に限局した初期癌の診断が対象になるわけで肉眼的に明らかな癌に対してではない。
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