今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか
ARTクリニック
15.名古屋大学医学部附属病院分院
菅沼 信彦
1
,
近藤 育代
1
1名古屋大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.170-171
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901611
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特色
われわれの施設は,国立大学医学部附属病院として,不妊症学に関わる臨床・教育・研究を行っている.その一環として体外受精—胚移植(IVF—ET)が施行されており,診療を中心とする他の「ARTクリニック」とは,やや趣を異としているかもしれない.当地区の「不妊症・内分泌異常センター」として,不妊症のみならず排卵障害,原発性無月経症,子宮内膜症など他の生殖機能障害患者の紹介も多く,また婦人内分泌の基礎的研究も行っている.そのため,IVF施行症例は年間200例ほどと,さして多くはない.
さらに最近では,通常のIVF-ETは関連病院に委託し,既往のIVFでは受精不能であった例,IVF-ETをくり返し行っても妊娠に至らなかった症例や,顕微授精法(とくに精管欠損症などの重症男性不妊例)などを対象症例の中心として,IVF-ETを行っている.このような難治例の治療成績の向上を目指し,新たな治療法を確立していくための臨床研究を行っていくことが,大学病院の使命であると考えるからである.
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