今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
治療
17.子宮頸部III期癌に対する術前照射療法
武内 久仁生
1
Kunio Takcuchi
1
1兵庫県立成人病センター
pp.1440-1441
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901546
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子宮頸癌の治療成績の向上は,早期発見,早期治療によるものであるが,本院で最近10年間に治療した子宮頸癌のうち,Ⅲ・Ⅳ期症例の占める割合は15.6%にみられ,これら進行癌に対する有効な治療法の検討が必要である。子宮頸癌に対する治療法として,近年化学療法の進歩もめざましいが,主流はやはり手術療法と放射線療法であり,一般に手術には術後照射が使用されている。しかし放射線効果の観点からすれば術前照射がより合理的であるといわれている点も考慮し,また進行子宮頸癌の手術適応拡大により,治療成績を向上させることを目的としわれわれは以前より術前照射を行っている。これら進行癌症例のうち69歳以下のⅢ期癌38例に対しても,術前にfull dose照射を行い,照射後広汎性子宮全摘術を施行した。
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