Japanese
English
特集 癌化学療法レジメンの選択とその根拠:消化器癌
直腸癌に対する術前照射併用化学療法
Pre-operative chemo-radiotherapy for rectal cancer
加藤 孝一郎
1
,
小栁 𣳾久
1
,
青木 達哉
1
,
榎本 正統
1
,
原 知憲
1
Kato Koichiro
1
1東京医科大学外科
キーワード:
直腸癌
,
放射線療法
,
化学療法
Keyword:
直腸癌
,
放射線療法
,
化学療法
pp.1059-1063
発行日 2003年8月20日
Published Date 2003/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101472
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直腸癌に対する放射線化学療法は欧米に始まり,近年では本邦でも施行されるようになった.教室で以前から行っていた術前照射療法の良好な結果を踏まえ,増感剤としてACNUを付加し,その効果を検討した.縮小率,狭窄の程度,周堤の変化,出血の程度などに改善効果を認めたが,統計学的有意差を証明できず,ACNUによる相乗効果は証明できなかった.この効果が証明されたのは壁深達度のみであり,これは放射線照射の効果のみが強く出現し,増感剤としての併用化学療法は影を潜めてしまったが,深達度改善による術前down-stagingの効果も期待され,化学療法剤の選択と投与量に発展性のあることが示唆された結果となった.今後は在院日数の短縮化という術前照射療法には不利な現状も踏まえ,照射装置の改良と照射方法の検討ならびにより効果的な化学療法剤の模索が必要である.
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