原著
進行子宮肉腫における予後因子
佐藤 慎也
1
,
鎌沢 俊二
1
,
高橋 正国
1
,
島田 宗昭
1
,
大石 徹郎
1
,
入江 隆
1
,
皆川 幸久
1
,
紀川 純三
1
,
寺川 直樹
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.221-223
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903551
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本研究では,進行子宮肉腫における予後因子を知ることを目的とした.Ic期以上の子宮肉腫16例(平滑筋肉腫8例,異所性癌肉腫4例,同所性癌肉腫3例,間質肉腫1例)を対象とした.全症例に対して術後化学療法を施行し,7例には放射線療法を追加した.全例に単純子宮全摘術,両側付属器摘出術を施行し,12例では後腹膜リンパ節郭清術を行った.
16例中9例(56.3%)が死亡した.予後因子別の検討では,年齢,組織型,リンパ節転移の有無で生存率に差はなかったが,Ic期症例の予後はII期以上の症例に比して有意に良好であった.化学療法のレジメンや放射線照射による累積生存率の差はなかった.多変量解析による検索では,臨床進行期のみが独立予後因子であった.進行子宮肉腫の重要な予後因子は進行期であり,手術による完全摘出のみが確実な治療であることが示された.
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