原著
品胎妊娠11例の検討
泉 章夫
1
,
水上 尚典
1
,
出居 貞義
1
,
玉田 太朗
1
,
本間 洋子
2
Akio Izumi
1
,
Yoko Honma
2
1自治医科大学産婦人科
2自治医科大学小児科
pp.1011-1013
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901422
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品胎妊娠では早産や妊娠中毒症などを合併しやすく,新生児予後は不良である。11例の品胎の妊娠・分娩経過,児予後の検討を行った。8例(73%)に排卵誘発が行われていた。全例に切迫早産を認め,8例(73%)が早産となり,分娩時平均週数は33.7±3.4週であった。6例に妊娠中毒症を合併した。分娩前入院日数は43±24日であった。Termi—nationの決定要因は,極度の腹部膨満感4例,前期破水3例,tocolysisの不成功3例,妊娠中毒症悪化1例であった。平均出生時体重は1,697±502gであり,10例(31%)の新生児に挿管を要したが,すべて32週以前に分娩となった児であった。以上より,品胎妊娠では予防的頸管縫縮術と子宮底長が30cmを越える24〜26週での予防的入院を考慮し,妊娠中毒症の発症に注意しつつ33週以降の分娩を目標とすることが,児の予後改善につながると思われる。
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