今月の臨床 外来でみる感染症
症候と感染症
5.帯下
高橋 克幸
1
Katsuyuki Takahashi
1
1国立仙台病院産婦人科
pp.905-907
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900506
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帯下は正常婦人においても多少は認められる。また,不快を感じて来院した場合の帯下の原因も感染性,癌性,ホルモン失調性,妊娠性,心因性など多様である。外来での頻度は感染性による帯下が最も多いが,その中でトリコモナス,カンジダ,および非特異性細菌によるものが多い。一時淋菌が検出されることは稀であったが,最近増える傾向にある。近年STDとして話題のクラミジアでは,帯下を訴えない症例が少なくない。
帯下の量・性状には個人差があり,訴えも主観が大きいことから,必ずしも病的でない場合がある。検査に先立って詳細な問診をしなければならない。
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