増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!
【症状編】代表的な症状からの疾患鑑別
《婦人科外来》
帯下異常
江川 美保
1
1京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
pp.16-19
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209298
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鑑別診断のポイント
❖帯下の増量,悪臭,膿性変化やそれに伴う不快感などの帯下異常・腟炎症状は最も頻度の高い婦人科的愁訴の1つであるが,その原因として細菌性腟症,外陰腟カンジダ症,腟トリコモナス症の3つが90%以上を占める1).
❖そのほか,年齢やsexual activityなどの背景因子および外陰・腟・子宮腟部の診察所見により,低エストロゲン状態に伴う萎縮性腟炎やクラミジア,淋菌による子宮頸管炎も念頭におく必要がある.
❖上記疾患は無自覚・無症候性であることもある.産婦人科プライマリ・ケア診療に際しては本人の訴えがなくても,骨盤内炎症性疾患への進展リスクや,妊婦においては妊娠経過や児へのリスクも念頭において適切に診断すべきである.
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