今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
一般症状の診かた,とらえ方
17.性器・膀胱の下垂感
桑原 惣隆
1
Souryu Kuwabara
1
1金沢医科大学産科婦人科
pp.942-944
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900967
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性器,膀胱の下垂感は更年期から老年期の婦人に比較的多く,一般には子宮腟下垂・脱や膀胱脱に認められる症状である。
本症は骨盤内子宮懸垂装置の延長,骨盤底筋の弛緩により子宮を骨盤腔内の正常位置に保持できず腹圧により腟壁と共に腟入口部の外方へ下垂,脱出するもので,一種の性器ヘルニアと考えられる。また,同時に尿道脱,膀胱脱や直腸脱を伴うことが多く,排尿障害,排便障害を認める。
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