今月の臨床 不妊治療の進歩
最近の動向
2.不妊治療の統計
奥田 喜代司
1
,
佐伯 理男
1
,
杉本 修
1
Kiyoshi Okuda
1
1大阪医科大学産科婦人科学教室
pp.398-399
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900799
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不妊診療の進歩によって,その診断と治療のマップは年々塗り変えられている。とくに体外受精,胚移植などの配偶子操作の発達や腹腔鏡による検査および直視下手術など,近年の不妊症に対する検査,治療の発達にはめざましいものがある。教室でも1985年に体外受精,胚移植による妊娠例を経験し,その後順調に症例が増え,1991年には年間146例にも治療を行った。また同時期より洗浄濃縮精子によるAIHも開始している。腹腔鏡検査は1975年より積極的に行ってきたが,1980年代後半よりビデオシステムの発達や腹腔鏡直視下手術器具の導入などにより,より複雑な手術が腹腔鏡直視下に可能になってきた。このような不妊診療の進歩とともに治療成績などがどのように推移しているかをみるために,本稿では教室の1984年までの10年間1)と1991年までの7年間に分類し,不妊症の頻度および治療の成績などを検討した。
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