講座 実地医家のための不妊症治療講座・12
不妊の統計—不妊因子数と不妊因子別頻度
平野 睦男
1
,
古橋 信之
2
,
渡辺 英子
2
,
安藤 順一
2
,
伊藤 潔
2
,
田村 みどり
2
Mutsuo Hirano
1
,
Nobuyuki Furuhashi
2
1東北大学医学部産科学婦人科学教室
2太田綜合病院産婦人科
pp.832-837
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207702
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不妊の診療に際しては,まず不妊因子を確実に診断しなければならないが,このため不妊夫婦に対して出来るだけ詳細な臨床検査を実施することが望まれる。不妊治療は原則としてこれらの検査成績がまとまり,不妊因子が明らかになってから開始しなければならない。また,不妊因子は1つとは限らず,2つまたは3つ以上の不妊因子が見出される夫婦もすくなくない。男性側と女性側がともに不妊因子をもっていたり,さらに女性側に内分泌因子と卵管腹膜因子が同時に見出されるなど,女性側が複数の因子をもっていることもある。
以上のような日常臨床の経験から,われわれが実際に診療している不妊夫婦について,単一の不妊因子をもつ夫婦と複数の不妊因子をもつ夫婦の割合や,これらの不妊因子別頻度について検討した結果,興味ある成績がえられた。本稿においては,これらの不妊因子の数や不妊因子別頻度に関する成績を中心とした不妊の統計について記述することにする。
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