今月の臨床 子宮内膜症
治療と予後管理
29.根治療法
蜷川 映己
1
Terumi Ninagawa
1
1名古屋逓信病院
pp.84-85
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900714
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子宮内膜症のうち,不妊症を伴うか挙児を希望するものにたいしては,保存的療法が選択される。薬物療法の進歩,保存的手術法のうちレーザー,アルコール固定法などの新しい展開,IVF—ETをはじめとする不妊症の別ルートによる治療などによって,子宮内膜症を伴う不妊症の,不妊に対する治癒成績は向上しつつある。また妊娠の成立は,子宮内膜症の病状にも,好結果をもたらすので,妊娠分娩を契機として,ほとんど完治の状態にいたる症例をも経験する。
この意味で行くと,根治療法には,保存的療法の組合せで結果的にこれが期待されるものと,始めからラジカルに手術療法を行うものとがあることになる。表1に当院での治療法の選択基準を示したが,挙児希望,ホルモン依存度,チョコレート嚢腫の有無,子宮筋腫の合併などが治療法選択の分岐点になる。
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