薬の臨床
胎盤機能検査法としてのhuman placental lactogenのradioimmunoassay
蜷川 映己
1
,
鈴木 正英
1
,
伊藤 晄二
1
Terumi Ninagawa
1
1名古屋大学医学部産婦人科学教室
pp.709-714
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205233
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胎盤は,胎児への栄養,酸素供給の役割を果たすとともに,またホルモン分泌臓器としても,胎児の発育,妊娠の維持に必要な内分泌環境を保持する上で,重要な一翼を担つている1)。胎児のおかれている内分泌環境を母体を通した情報として把え,その異常を早急に察知し,適切なる処置を施行しようとする胎児管理は,妊婦管理の一環として,重要視されてきている。
内分泌学的胎児胎盤機能検査法としては,従来,胎盤性ステロイドホルモンの測定,あるいは,蛋白ホルモンであるヒト絨毛性ゴナドトロピンhuman chorinic gonad—tropine (hCG)の測定が行なわれてきた。特に,エストリオールについては,これが胎児胎盤双方の機能を反映するため,多くの簡易法が報告され,当教室でもその有用性について述べてきた2,3)。
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