今月の臨床 子宮内膜症
治療と予後管理
30.チョコレート嚢胞に対するエタノール注入療法
七里 和良
1
,
谷 啓光
2
,
田中 憲一
2
Kazuyoshi Shichiri
1
,
Hiromitsu Tani
2
,
Kenichi Tanaka
2
1両津市民病院
2新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.86-87
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900715
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外性子宮内膜症は不妊原因の一つとして重要視されてきており,本症の治療にダナゾール,Gn—RHアナログなど多くのホルモン剤が開発されその有用性が報告されている。
しかしながら,内膜症重症例に認められる卵巣チョコレート嚢胞はこれらのホルモン療法によっても縮小効果に乏しく抵抗性を示すことが多い。また,開腹による保存的手術療法においても強度の癒着により完全摘出が困難であったり,術後の周囲臓器との広範な癒着形成により妊孕性が低下する危険性があり,その適応には慎重でなければならない1)。
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