年間テーマ--診断から治療へ 妊娠維持の異常
内分泌の異常—診断から治療へ
蜷川 映己
1
Terumi Ninagawa
1
1名古屋大学医学部産婦人科学教室
pp.437-443
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205189
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ホルモンは,受精,着床,妊娠維持,分娩の全経過を通じて,reproductionを支配し,保護している。特に妊娠を維持し,胎児の正常な発育を期するために,母体内分泌臓器,胎盤,胎児組織は,複雑に互いに関連して,合目的的な内分泌環境を作つているものと考えられる。
流早産は,種々の原因による妊卵の排泄をきたす恐れのある状態,ないしは排泄する状態の総称であつて,一つの疾患としてのentityをもつたものではない。流産患者群をとりあげるとき,形成している原因に関してhomogenousな群をとりあつかつているのではないことに注意しなければならない。妊卵異常を,流産児の染色体異常としてとらえた百分率が,研究者によつて,かなりの差があるのは,各研究者の取り扱つている流産群がhomogenousでないことによる。
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